2004 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物燃焼からの微量有害物質の排出挙動の解析とシミュレーションモデルの構築
Project/Area Number |
04F04153
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
二宮 善彦 中部大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG L 中部大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 廃棄物燃焼 / 微量金属 / TEM / 粒子状浮遊物質 / カスケードインパクター / 固体吸着剤 |
Research Abstract |
流通式燃焼装置(試料供給量30g/h、内径50mmφ、長さ1800mm)を使用して、ナノサイズ固体吸収剤を石炭や乾燥汚泥などに添加して、燃焼実験を行なった。燃焼温度は900〜1500℃の温度範囲である。カスケードインパクターを使用して0.03〜10μmの粒子状物質を風力分級し、その粒径分布とXRFによる元素分析を行った。またTEMを使用して0.1μm以下の粒子について形状を観察した。飛灰粒子のCCSEM分析を行い、燃焼過程における粒子の組成や粒径変化を検討した。 (1)粒子状浮遊物質として、粒径分布から0.1μm以下、0.1〜2.5μm、2.5〜10μmに大別でき、0.1μm以下は、主に有機金属および気相析出元素に由来することが明らかになった。0.1〜2.5μmは気相析出元素および石炭中に含まれる微粉鉱物。2.5〜10μmは石炭中に含まれる鉱物。この結果をもとに微粒子生成モデルを提案した。 (2)バイオマスの部分酸化によって作製した酢酸カルシウムを廃棄物原料に添加し、この酢酸カルシウムを燃焼させた時に発生するナノスケールのカルシウムが浮遊粒子状物質に吸着させ、カスケードインパクターを用いて、排ガス中のカルシウム由来の粒子を捕集/分級し、蛍光X線分析装置で分析した。この結果、脱硫率は粒径が小さくなるとともに高くなり、粒径1μm以下のカルシウム粒子でSO_3/CaO=1(モル比)となり、微粒子のカルシウムは、排ガス中のSO_2をほぼ完全に捕捉することができた。 (3)環境や生態への影響が大きい煤じん粒子表面に濃縮した揮発性元素の定量分析を行った。飛灰のバルク粒子表面にコーティングしている微量の凝縮性元素として、B、As、Zn、S,P,Clが定量され、その化学形態として、As_2O_3,ZnCl_2,ZnSO_4などの存在が確認された。
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Research Products
(14 results)