2004 Fiscal Year Annual Research Report
水熱ホットプレス法を利用した牡蠣殻粉末の低温焼結による先進材料合成
Project/Area Number |
04F04155
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 仲道 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KORABLOVA I.R. 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 水熱法 / 硬化体 / 廃牡蠣殻 / 炭酸カルシウム / タンパク質 / 先進材料 |
Research Abstract |
牡蠣は日本人の嗜好に合っておりその消費量は膨大であるが、一方で食用とされない牡蠣殻は処理が困難であり、一部はセメント製造に利用されているもののそのほとんどが海岸に捨てられている。そのため、有効な牡蠣殻処理方法の開発が希求されている。近年,牡蠣殻の主成分である炭酸カルシウム単体の水熱ホットプレス法による固化反応の研究が行われている.しかし,牡蠣殻の天然炭酸カルシウムは様々な結晶形態およびタンパク質の複合体であり,炭酸カルシウム単体の固化体よりも強度の高い物質を合成できる可能性がある.そこで本研究では、この水熱条件下での固化反応に注目して、水熱ホットプレス法を用いて廃牡蠣殻中の天然炭酸カルシウムを強靭な固化体に転換することにより、建築材料などへの展開が期待できる先進材料を作製することを目標とした。 洗浄後乾燥させた廃牡蠣殻を粉砕した後にSEM、XRD、TG-DTAによって評価を行った。次に、水熱ホットプレス法によって牡蠣殻からの固化体の作製を試みた。さまざまな水熱ホットプレス条件下で作製した固化体の密度などを調べることによって、最も有用な固化体を作製するために最適な温度・圧力・反応時間を決定した。それぞれの反応条件において、有機溶液もしくは無機溶液が固化体生成時の圧縮率へ及ぼす影響などについても調査を行った。それらの結果、牡蠣殻の脱石灰時に殻中から溶出するタンパク質が固化反応の活性剤となっていることを見出した。これらの結果から、廃牡蠣殻から先進材料を作製して有効利用するための基礎となる技術の可能性が示された。
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Research Products
(2 results)