2004 Fiscal Year Annual Research Report
C_<2->対称不斉求核触媒の開発及び不斉炭素-炭素結合形成反応への利用
Project/Area Number |
04F04161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIANG Changsheng 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 求核触媒 / C_<2->対称 / Baylis-Hillman反応 / ピロリジノピリジン / N-アリール化 / 触媒ライブラリー / ピログルタミン酸 |
Research Abstract |
我々は4-ピロリジノピリジン(PPY)を基本骨格とする不斉求核触媒を既に開発し、本触媒がラセミ体アミノアルコールのアシル化による速度論的分割で高いエナンチオ選択性を示すことを既に見出している。本年度はL-ピログルタミン酸と4-ブロモピリジンとの直接的なカップリングに成功し、C_<2->対称不斉求核触媒の基本骨格である2、5-ジ置換ピロリジノピリジンの短工程合成ルートを開発した。これをトランス-ピロリジノピリジン-2、5-ジカルボン酸に誘導し、種々のアミンやアミノ酸エステルと縮合し、ピロリジン環の2位と5位に2つの同じ官能基側鎖を持つC_<2->対称PPY型不斉求核触媒のライブラリー構築を行なった。これらを用いて不斉Baylis-Hillman反応を検討した。しかし触媒の溶解性が極めて低いため反応の進行そのものが遅く、不斉収率も最高49%であった。触媒の溶解性向上と低温反応での選択性向上を意図して、アミノ酸の長鎖脂肪酸エステルを縮合させたC_<2->対称不斉求核触媒を数種合成した。これらは高選択性発現が期待される無極性溶媒にも極めて良い溶解性を示した。またBaylis-Hillman反応はプロトン酸と求核触媒の共存下に加速されることが知られていることから、フェノール性水酸基を側鎖に持つC_<2->対称不斉求核触媒を合成した。さらに側鎖アミノ酸はL-体とD-体の両方からそれぞれPPY型不斉求核を合成し、触媒の新しいミニライブラリーを構築した。
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