2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04162
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
浅川 義範 徳島文理大学, 薬学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DANG Ngoc Quang 徳島文理大学, 博士研究員
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Keywords | 子嚢菌類 / アザヒロン / パーターフェニル / プレグナンステロイド / ヒポキシロン / テレフォラ / ヒドレナム / ケモシステマテイクス |
Research Abstract |
ベトナム産子嚢菌類、担子菌類の薬理学活性成分研究を目的に本年度はベトナム産キノコ類化学成分と日本産、ヨーロッパ産のそれらを比較するためイボタケ科ニオイハリタケモドキ、イボタケ、子嚢菌類クロサイワイタケ5種の化学成分を徹底的に探索し、600MHz NMR、 X-線結晶解析により構造決定した。また抗菌活性試験も同時に行った。これらの結果は7種の論文として報告した。そのうち6報を裏面に記した。ベトナム産子嚢菌Xylariaintracoloraからcololartin A, Bと命名した新規azaphilonを得た。これらの化合物はGentamicinおよびNystatinとほぼ同程度の抗菌および抗カビ活性を示した。子嚢菌Hypoxylonmultiformeからグラム陰性菌、陽性菌に対して強い抗菌活性を示す4種の新規azaphiloneを得た。ニオイハリタケモドキは液晶構造を有す新規p-terphenyl誘導体telephantins I-Nと命名した化合物を単離した。これらの中にはピリジン環を有する天然物としては極めてまれな化合物も含まれる。日本産イボタケからは驚くべきことに、2種の新規プレグナン型ステロイドと一種の既知プレグナンを含有していることを解明し、植物化学分野に大きく貢献し、本年日本薬学会Chem. Pharm. Bull. 3月号の表紙にキノコの写真と化学構造が美しく掲載された。ベトナム産イボタケ類には本化合物は含有しない。ヨーロッパ産クロサイワイタケCreosphaeria sassafrasからsassafrins A-Dと命名した新規azaphiloneをえた。これらはtetraciclinと同程度の抗菌活性を示した。Hypoxylon cohaerensからcohaerins A, Bと命名した新規azaphiloneをえた。これらの化合物は200年前に採集された試料にも安定して存在することも確認し、化合物群を整理した結果、本種には数種のtaxaが存在することが分り、遺伝子レベルで調査した結果に一致した。Hypoxilon rubiginosumはrubigomosin A-Cと命名した新規azaphilonを得た。成分比較から本種はクロサイワイタケ科Entonaema属に極めて類似することが明らかになった。以上の結果、子嚢菌類にはazaphilon類が多量に含まれることが明らかになった。ベトナム産ニワタケ、チャコブタケまたヒダタケ科各種のメタノールエキスは強いDHHP試験でトコフェロール、ビタミンC以上に強い抗抗酸化活性および人白血病細胞HL-60に対して細胞自殺誘導活性が見られるため、現在これらの化成成分を精力的に探索している。また今年度得られた化合物についてもTNF-α遊離阻害、NO産生阻害活性を測定しており、かなりの成果が出始め、17年度も本研究を継続して遂行する。
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Research Products
(6 results)