2004 Fiscal Year Annual Research Report
転写調節因子による遺伝子ネットワークの協同的制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
04F04165
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Host Researcher |
皿井 明倫 九州工業大学, 情報工学部, 教授
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Foreign Research Fellow |
MARCOS ARAUZO-BRAVO 九州工業大学, 情報工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝子発現制御 / 転写因子 / ターゲット予測 / ゲノム機能解析 / 協同性 |
Research Abstract |
ゲノム解析からもたらされる膨大な機能未知の遺伝子から転写因子とそのターゲット遺伝子を予測する方法論を確立するため、機能未知蛋白質が転写因子であるかどうかを判別するアルゴリズム、蛋白質と核酸の複合体の構造情報および結合実験データを用いて転写因子のターゲットを予測する方法、計算機シミュレーションを用いて蛋白質・DNA認識の特異性を定量化する方法などを開発した。蛋白質と核酸の複合体の構造情報を用いた方法では、転写因子による配列認識の特異性を定量化し、複数の転写因子によるDNAとの協同的な認識において特異性が高められことを示す結果が得られた。計算機シミュレーションでは、さまざまな配列を持ったDNAについて溶液中での分子動力学計算を行い、そのトラジェクトリーからDNAのコンフォメーションパラメータを計算し、任意の配列に対するコンフォメーションエネルギーを計算するアルゴリズムを開発した。これは蛋白質によるDNA配列の間接認識のメカニズムを明らかにするための基礎となる。この方法を用いて実際の多くのDNA構造に適用し、DNAコンフォメーションエネルギーと特異性を計算することができた。 一方、これらの方法を実際のゲノムに対して適用するため、酵母を対象としたパイロット研究を行った。酵母の転写因子についてそのターゲットをゲノムスケールで予測し実験データと比較した。このパイロット研究により、実験で知られているターゲットを実際に予測することができた。これまでに開発された予測法をツールとしてモデュール化し、完成したものについてはインターネットで公開した。また、これらのモデュールを統合したシステムを構築するための準備をすすめた。
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Research Products
(3 results)