2004 Fiscal Year Annual Research Report
活性化マイクログリアの遊走能・貪食能における細胞内分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
04F04166
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 潤也 愛媛大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHUAI Miao 愛媛大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクログリア / 遊走 / 貪食 / アクチン / Iba1 / Rac / 活性化 / ATP |
Research Abstract |
Iba1はマイクログリアに特異的なカルシウム結合たんぱく質であり、単量体Gたんぱく質Racと協調的に働き、マイクログリアの遊走能・貪食能の分子基盤を構成すると考えられる。本研究では、Iba1とRacの協調作用を可視化する目的でマイクログリアに外来遺伝子・たんぱく質を導入する方法を開発し、GFP等を用いてシグナル分子を可視化することを目的とした。さらに分子を導入されたマイクログリアを遊走させ可視化分子の細胞内動態を経時観察するシステムの構築を行った。従来は初代培養マイクログリアを用いて、ダンチャンバーによって形成されたATP濃度勾配中での遊走を観察してきたが、初代培養細胞では遺伝子導入が困難であった。今回は培養維持が容易であり、マイクロインジェクションにより遺伝子導入が可能であるマイクログリア細胞株MG5を用いた。これまで用いてきた機械式のマニピュレーターに代わり油圧式のマニピュレターを用いて導入効率を高め、より容易な遺伝子導入を可能とした。つぎに、ダンチャンバーによるATP濃度勾配に反応するMG5の遊走を観察したが、ダンチャンバー内はMG5にとって適した環境ではないようで、MG5は初代培養細胞に比較してあまり強い遊走能は示さなかった。そこで、通常の培養シャーレ内でATP濃度勾配を作成しMG5の遊走を観察することを試みた。マイクロマニピュレーターの注入針にATPを含む培地をいれ、空気圧をパルス状に加えることで少量のATPを断続的に培地中に放出し、針の周囲にATPの勾配を作成した。この方法により、ATPの濃度勾配に向かうMG5の遊走が観察された。さらに、protein transduction domain(PTD)に着目し、ほぼ100%のMG5にPTD-GFP融合たんぱく質を導入することを可能とした。以上の成果により、今後のシグナル分子解析への基礎技術が整備された。
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Research Products
(3 results)