2005 Fiscal Year Annual Research Report
活性化マイクログリアの遊走能・貪食能における細胞内分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
04F04166
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 潤也 愛媛大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHUAI Miao 愛媛大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクログリア / 遊走 / 貧食 / アクチン / Iba1 / Rac / 活性化 / フィンブリン |
Research Abstract |
Iba1はマイクログリア・マクロファージに特異的なカルシウム結合たんぱく質である。これまでに、Iba1が単量体Gたんぱく質Racと協調的に働きアクチン細胞骨格を制御することを示した。さらに、このIba1の機能がマイクログリアの強い遊走能・貧食能の基板となることを示唆した。昨年度は、Iba1結合たんぱく質としてフィンブリンを同定し、Iba1とフィンブリンが直接結合しさらにIba1がフィンブリンのアクチン束化能を増強する事を明らかとした。本年度は、さらにIba1とフィンブリンの細胞内分布について解析を行った。免疫細胞染色の結果から、Iba1はフィンブリンと共に細胞遊走時に形成される膜ラッフリングに局在することが示された。さらに詳細な観察の結果、細胞内のドット状な領域にIba1・フィンブリンが高濃度に分布すること、ATP刺激下にドット状構造の数が増加することがわかった。フィンブリンは細胞移動に関与すると考えられているポドソームと呼ばれる細胞内構造の主成分と知られている。観察されたドット状構造物はポドソームと考えられ、Iba1もポドソームの構成要素だと考えられ、フィンブリンと相互作用しながらその機能を支えていると考えられる。ポドソームは細胞遊走だけではなく、破骨細胞の骨吸収、ガン細胞の転移・浸潤にも関与すると言われている。今後、ポドソーム形成・調節におけるIba1・Racの関与をさらに明らかとすることが期待される。
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Research Products
(6 results)