2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
難波 啓一 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROLAND DECENKOLBE 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 1分子計測(SMD) / 電子顕微鏡 / ナノバイオ / ナノマシン / 分子モーター |
Research Abstract |
細菌の運動器官であるべん毛は、20数種類の蛋白質から構成される生体超分子で、回転モータである基部体、らせん繊維型プロペラとして働くフィラメント、そしてそれらを連結してユニバーサルジョイントとして働くフックと、おおまかに3つの部分からなる。べん毛フィラメントはフラジェリンが非共有結合でらせん状に重合したチューブ構造で、極低温電子顕微鏡像の画像解析による構造解析法の長年にわたる工夫によってその原子モデルの構築に成功し、2003年8月のNatureに発表した。 フックの構造はフィラメントに比べて短く、電子顕微鏡だけによる高分解能構造解析が困難であったため、その直線型チューブ構造についての低温電子顕微鏡像の画像解析法による低分解能立体像と、サブユニット蛋白質FlgEフラグメントのX線結晶構造解析法による原子モデルを組み合わせ、擬似原子モデルを構築することに成功した。されに、曲がったフックの原子モデルを構築し、この原子モデルをもとにした計算機による分子動力学シミュレーションにより、ドメイン間の相互作用表面で一定数の水素結合やファンデアワールス接触点を保ちつつ、結合相手の原子を順次替えることで相互に滑りを起こし、各素繊維の約30%にもおよぶ伸縮により、ユニバーサルジョイント機能を実現していることが明らかになった。(Samatey et al. Nature 2004) Roland DEGENKOLBE研究員は、基部体の蛋白質であるFliMとFliN、そしてべん毛蛋白質輸送装置の基幹サブユニットであるFlilとFliHが形成する複合体について、電子顕微鏡とX線回折法を組み合わせた超分子立体構造解析手法によるその全体構造の解析をめざして、大腸菌による大量発現系を用いた蛋白質試料の調整法、精製法の工夫をし、それを確立した。結晶化とX線結晶構造解析、そして電子顕微鏡による立体構造解析をめざした研究作業を、段階的に着実に進めているところである。
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Research Products
(9 results)