2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミヤコグサ根粒菌におけるアミノ酸代謝と宿主との物質交換の分子遺伝学的・生化学的解析
Project/Area Number |
04F04176
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
佐伯 和彦 奈良女子大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUMAR Anvita 奈良女子大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ミヤコグサ / 根粒菌 / アミノ酸代謝 / トランスポゾン / 分泌系 |
Research Abstract |
ゲノム塩基配列が決定済みのミヤコグサ根粒菌Mesorhizobium loti MAFF303099株ならびに類縁のミヤコグサ根粒菌株を材料にして,アミノ酸代謝と輸送に関わる遺伝子の破壊株を蓄積し,形質の評価を行いつつある。類縁株としては、MAFF303099株が共生不能なミヤコグサ近縁宿主Lotus pedunculatusとも共生可能なNZP2037株等を用いた。1)実験系の評価:材料とする菌株自体の特性を明確にするため、NZP2037株を含む国内外15株の16S rRNAならびにnodJ-nodS領域の塩基配列を決定し、系統学的な位置づけを行った。16SrRNA解析の結果は、MAFF303099を含む14株は、Mesorhizobium lotiの標準株よりはレンゲソウ根粒菌Mesorhizobium huakuiiに近縁で、さらに4程度のサブグループに分岐すること、一方、nodJ-nodS領域の分岐が宿主特異性により強くリンクしていることを示した。2)変異株作製:MAFF303099株のアミノ酸輸送系遺伝子や菌体表層構造の変異株を蓄積するために、大腸菌アルカリ性フォスファターゼphoA遺伝子の成熟タンパク質コード領域を含む、ミニトランスポゾンを用いたトランスポゾン挿入実験を行った。約1万の挿入株から、157株のフォスファターゼ発現株を得た。これらは膜貫通タンパク質のペリプラズム露出部位またはペリプラズムタンパク質にin-frame融合しているものと期待できる。現在、これらの栄養要求性や菌体表層構造ならびに根粒形成能・共生能の評価を行っている。3)ミニトランスポゾン改良:ミニトランスポゾンにより作出する変異株をより有用なものとするために、Tn5のIS配列を両端に持ち、その内部にρ因子非依存生の転写終結配列と3フレームのどの読み枠でも翻訳を終結させる配列、さらに内側に配列特異的リコンビナーゼflpの認識配列に挟まれた薬剤体積遺伝子を配置したミニトランスポゾン・カセットを作製した。現在、根粒菌への導入を可能とするsuicideベクターへのサブクローニングを行っている
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Research Products
(1 results)