2004 Fiscal Year Annual Research Report
21番目のアミノ酸セレノシステインの蛋白質への取込み機構の立体構造基盤の解明と人工システムの構築
Project/Area Number |
04F04186
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神田 大輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RASUBALA Linda 九州大学, 生体防御医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | セレノシステイン / 伸長因子SelB / Moorella thermoacetica / X線結晶解析 / SECIS / タンパク質核酸複合体 / ウィングドヘリックスモチーフ |
Research Abstract |
セレノシステインは酸化還元に関わる蛋白質の活性残基として働く.セレノシステインをコードするコドンは、通常終止コドンとして使用されているUGAである。原核生物の場合,終止コドンUGAの下流にSECIS (selenocysteine insertion sequence)と呼ばれる特殊なRNA配列が存在すると、UGAはセレノシステインを指定するコドンへと変化する。このとき、リボゾームのA-siteに結合するのはセレノシステイニルtRNA^<Sec>であり、蛋白質の翻訳は終結せずにセレノシステインが取り込まれる。 伸長因子SelBは伸長因子(EF-Tu)として働くN末端部分とSECISに特異的に結合することができるC末端部分からなる.酢酸生産菌Moorella thermoacetica由来のSelBのRNA結合ドメイン(残基512-634(C末端))とSECIS(ヘアピン構造RNA)の複合体の結晶化を行った.分解能2.3Åの結晶を得て,分子置換によって構造決定を行った(PDB :1WSU).サーチモデルとしては、同じくM. thermoacetica由来のSelB (PDB :1LVA)のうち、512-634部分を用いた。SECIS RNAはNMRで構造決定された構造(PDB :1MFK)を用いた。結晶はP2_12_12に属し、非対称単位中に3分子の複合体と1分子のSelB分子が存在する。SECISRNA部分は予想されたとおり、ステム&ループ構造をとっていた.通常、ウィングドヘリックスモチーフはDNAのメジャーグルーブに結合するとされているが、SelBのウィングドヘリックスモチーフはRNAのステム&ループ構造の先端にあるループ構造に結合していた.SECISがSelBと高い親和性を示す理由は、ステムループ領域のグアニン残基の特異的認識、ウラシルのリン酸基の認識により説明できる。
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Research Products
(2 results)