2004 Fiscal Year Annual Research Report
アクトミオシンの相互作用と細いフィラメントによる制御の役割
Project/Area Number |
04F04187
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 敏雄 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARAGIANNIS P. 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | レーザートラップ / 1分子計測 / ミオシン / 力発生 / 制御 / キネシン |
Research Abstract |
アクトミオシン系の制御の仕組みの理解を目指して、1分子計測系の立ち上げを行った。制御過程、力発生過程にとって重要な過程はリン酸放出過程、ADP放出過程である。そのためにレーザートラップを使った系でADPやリン酸濃度に対するステップ運動の様子を計測できる系を構築した。濃度の変化とともに、モーター分子にかかる負荷は重要なパラメータである。負荷に対して運動を精確に計測するためには、フィードバックを使って、一定の負荷に対するステップ運動を追跡できる系が必要である。そこでまず現存するレーザートラップ装置にフィードバックを導入した。また計測の時間・空間分解能を上げるため、ビーズの変位を計測する光学系の改良を行った。その一方でこの実験に適したモーター蛋白質を選ぶために数種類のモーター蛋白質を使ってビーズアッセイを試みた。ミオシンv、ミオシンVIあるいはキネシンをビーズで捕捉した。捕捉した分子が1分子であることは、統計的に証明できる。現在の条件ではまだ多分子の可能性も残っており、さらに条件を厳しくして実験を行っている。捕捉したビーズを使ってレーザートラップを行った。これらのモーター蛋白質でステップ運動を確認したが、とりわけどのモーターでも負荷依存的にバックステップが見られた。バックステップの特性を実験的に記述、特にATP加水分解などとの関係でメカニズムとかかわっているので、さらに深くアプローチできるかどうか、実験条件を検討している。
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