2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗原特異的免疫反応の分子制御機構の解明〜癌・アレルギー性疾患の病態解明を目指して〜
Project/Area Number |
04F04191
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Research Institution | Kagoshima University |
Host Researcher |
松口 徹也 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
MUSIKACHAROEN Tipayaratn 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Th1 / Th2 / インターロイキン / T細胞 / インターフェロン / 腫瘍免疫 / MAPキナーゼ / 転写因子 / アレルギー |
Research Abstract |
3種類のMAPキナーゼのうちJNKに強い基質特異性を示すMAPキナーゼフォスファターゼであるMKP-Mは、ナイーヴCD4陽性T細胞に少量発現される。以前の我々のin vitroでのT細胞分化実験系において、Th2分化優位の条件下でMKP-Mの発現量が増加し、逆にTh1分化優位の条件下ではその発現はほとんど認められなくなることから、MKP-MのTh1/Th2分化への関与が想定された。これらの知見に基づき、今年度は以下の実験を行った。 1)アデノウィルスによるMKP-M強発現によって、in vitroでのナイーブCD4陽性細胞のT細胞分化がTh2方向に偏位することを示した。 2)T細胞でのみ活性化されるLck遺伝子のプロモーターを用いたT細胞特異的な野生型および不活性型のMKP-Mトランスジェニックマウスを作成した。不活性型MKP-Mの高い発現を示したマウスでは胸腺内T細胞分化が著しく抑制された。正常のCD4陽性T細胞を認めたトランスジェニックマウス系統からCD4陽性T細胞を磁気ビーズにより単離し、抗T細胞レセプター抗体で刺激し、Th1およびTh2分化条件下で培養し、経時的なサイトカイン(IFNγ、IL-4)、および転写因子(T-bet、Maf、GATA-3)の発現レベルを解析したところ、野生型MKP-MトランスジェニックマウスからのCD4T細胞ではTh2タイプ優位の分化を認め、逆に不活性型でTh1優位の分化が誘導された。 3)上記のマウスの卵白アルブミン感作を行い、抗原特異的な免疫グロブリンサブタイプ、サイトカイン濃度を計測したところ、野生型MKP-MトランスジェニックマウスではTh2タイプ優位の免疫反応が誘導され、逆に不活性型でTh1優位の反応が誘導された。 4)MKP-M遺伝子ヘテロ型欠損ES細胞を確立し、キメラマウスを作成した。現在MKP-M遺伝子欠損マウスを確立中である。 5)Th1分化に関連する遺伝子としてIL-12レセプターβ1鎖に注目し、その遺伝子プロモーターの解析を行った。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Interleukin-15 induces IL-12 receptor {beta}1 gene expression through PU.1 and IRF 3 by targeting chromatin remodeling2005
Author(s)
Musikacharoen, T., Oguma, A., Yosikai, Y., Chiba, N.Masuda, A., Matsuguchi, T.
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Journal Title