2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞特異的トランスジェニックマウスを用いた、転写因子Runx2の下流遺伝子機能解析
Project/Area Number |
04F04192
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 健治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YOSHIDA C.A. 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 軟骨 / トランスジェニックマウス / Runx2 / Galnt3 |
Research Abstract |
Runx2は軟骨細胞分化に重要な働きをしている転写因子であり、軟骨細胞の成熟を強力に促進することが知られている。胎生18.5日のRunx2ノックアウトマウスの軟骨細胞にアデノウィルスを用いてRunx2を導入し、DNAchipを用いて、Runx2のターゲット遺伝子を検索し、結果,ムチン型糖鎖を形成するポリペプチドN-アセチルガラクトサミン転移酵素3(Galnt3酵素)をコードするGaint3遺伝子が誘導された。最近,高りん酸血症や,関節周囲の腫瘍,塊状の石灰沈着物を特徴とする常染色体劣性遺伝疾患であるfamilial tumoral calcinosis (FTC)は、Galnt3がコードするタンパク質の突然変異により起こることが報告された。その報告の中で,ヒトの骨髄,腎臓,皮膚,膵臓などの組織においてGALNT3遺伝子が発現していることが明らかにされた。しかし,現在までに軟骨における(GALNT3遺伝子の発現についての報告はなく,マウスの軟骨においてもGalnt3遺伝子の発現を強く認めたという報告はない。 そこで本研究では、野生型マウスにおいてGalnt3は胎生期12.5日以降の軟骨細胞に発現することがわかった。さらに、軟骨におけるGalnt3の機能を明らかにするため、二型コラーゲンプロモーターを用いてGalnt3を軟骨細胞特異的に発現させるトランスジェニックマウスを作成し、解析を行った。このトランスジェニックマウスは、出生時まで生存できたが、野生型マウスに比べ、軟骨小柱構造の欠落を伴う成長板の短縮を認めた。また軟骨細胞の成熟が遅延していた。軟骨細胞外基質においては,ムチン型糖鎖の増加およびプロテオグリカンの減少を認めた。これらの表現形により、Galnt3は軟骨の形成に関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)