2005 Fiscal Year Annual Research Report
メロンのエチレン受容体Cm-ERS1とCm-ETR1の生化学的機能解析
Project/Area Number |
04F04195
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江面 浩 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OWINO Willis Omondi 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エチレン / 受容体 / メロン / 機能解析 |
Research Abstract |
植物のエチレン感受性調節において、エチレン受容体が重要な役割を果たしていると考えられている。エチレン受容体をコードする遺伝子は、シロイヌナズナで単離されてから、現在では多くの植物種で単離されている。そして、受容体遺伝子の発現は植物の発達時期や器官特異的に調節されていることが明らかにされている。しかし、タンパク質レベルでの機能解析は殆ど行われていない。タンパク質レベルの研究は、アメリカのNew Hampshire大学Schaller教授のグループと本受入研究者のグループで行われているのみである。それらの予備的研究によれば、植物のエチレン感受性調節には受容体のタンパク質レベルでの発現調節や機能調節がより重要であることが示唆されている。機能調節の中で、特に二量体や多量体の形成が重要であると考えられているが、シロイヌナズナAt-ETR1とメロンCm-ERS1で同質二量体のin vivoでの形成が報告されている以外は情報がない。本研究では、受入研究者らが解析を進めているメロンのエチレン受容体遺伝子Cm-ETR1とCm-ERS1を用いてエチレン受容体の発現調節や機能調節をタンパク質レベルで研究する。具体的には、酵母細胞内でCm-ETR1,CmERS1を単独で発現した場合に同質の二量体や多量体を作ることができるかどうか、同時に発現した場合に異質の二倍体や多量体を形成できるかどうか、さらにそれらのタンパク質にエチレン結合能力やシグナル伝達能力があるかどうかを調べる。さらに、メロンの細胞内で同様の二量体や多量体を形成しているかどうか、そしてそれらが植物のエチレン感受性調節に果たす役割について明らかにする。 本年度は、メロンからETR-IIサブファミリーに属する遺伝子Cm-ETR2を単離し、その構造解析と発現解析を行った。その結果、この新規受容体遺伝子が発達中のメロン果実において共発現していることが明らかになった。さらに、この遺伝子をタンパク質レベルで検出するために特異抗体anti-CmETR2を作成した。以上により、メロンにおいてサブファミリーIとサブファミリーII受容体をタンパク質レベルで検出する準備(特異抗体)が整ったので、現在、それぞれのサブファミリーの受容体が相互作用する能力はあるのか(酵母での供発現実験)、実際にメロンの細胞内で相互作用しているのか(免疫沈降実験)を調べる実験系の立ち上げを行っている。この実験により、2つのサブファミリーの受容体が実際に相互作用するかどうかの世界で初めての結果が得られるものと期待される。これらに加えて、それぞれのサブファミリーの遺伝子をRNAi技術によりノックアウトするベクターを構築した。
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