2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロドコッカス(Rhodococcus)属微生物の遺伝子組換え系(宿主・ベクター系)の開発
Project/Area Number |
04F04200
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 達彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHOU ZHEMIU 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Rhodococcus / 宿主・ベクター系 / シャトルベクター / 誘導型高発現ベクター / ニトリラーゼ / ニトリルヒドラターゼ |
Research Abstract |
Rhodococcus属は難分解性化合物分解能が高く、環境浄化のみならず有用物質生産に利用されつつある。また、有機溶媒耐性と強い酸化還元能を有する為、特殊なバイオプロセス環境下の次世代宿主の候補として挙げられている。本研究では、(現在ゲノム解析が進められている)Rhodococcus erythropolis PR4株を宿主とするベクター系の開発を試みた。 PR4株は3637bpの環状プラスミドを保持すると推定された。PR4株よりプラスミド抽出を行い、3.6kbのプラスミドの存在を確認した。グラム陽性菌のプラスミド複製に関与するタンパク質と高い相同性を示す二つのORFが存在することから、これらの知見を基に大腸菌プラスミドとのシャトル化を行い、大腸菌とPR4株で複製可能なシャトルベクターを構築した。さらに、Rhodococcus rhodocurous J1菌由来のニトリラーゼ誘導発現系を基に開発した新規誘導発現ユニットを本シャトルベクターに組み込み、Rhodococcus属用の誘導型高発現ベクターpREIT19を構築した。pREIT19はマルチクローニングサイトにEcoRI、SacI、KpnI、SmaI、XbaI、SphIの6つのユニークサイトを持ち、その安定性はPR4株内で抗生物質非存在下でも75%以上、抗生物質存在下ではほぼ100%であった。野生株や組換え体のどちらにおいても今まで大量発現に成功していないJ1菌のL-NHaseを対象として発現検討を行った。誘導剤として0.1%イソバレロニトリルを添加した培地で28℃、72時間培養し、L-NHaseの発現を検討した結果、誘導剤を添加した場合においてのみL-NHaseが発現しているのを確認し、その有用性を実証した。
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