2005 Fiscal Year Annual Research Report
マツタケおよびその近縁種の分子系統学的解析と交配システムの解明
Project/Area Number |
04F04206
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Research Institution | Tottori University |
Host Researcher |
会見 忠則 鳥取大学, 農学部, 助教授
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Foreign Research Fellow |
BAO D. 鳥取大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | マツタケ / プロトプラスト / 再生 / モノカリオン / 交配 / 育種 |
Research Abstract |
平成17年度は,交配システムの解明および交配育種技術を確立するため,まず,単胞子分離菌株の分離技術の確立を試みた.中国産のマツタケを入手し,胞子紋を作成した.得られた担子胞子を殺菌水に懸濁し,担子胞子の発芽を促進する化学物質として,酪酸等の有機酸を添加した培地上に軟寒天培地と共に重層することにより,単胞子分離株の分離を試みた.しかしながら,胞子の発芽は,確認できたものの,寒天培地上に重層した胞子からは,単胞子分離株,すなわち,菌糸体を得ることはできなかった.そこで,2核菌糸のプロトプラスト化による一核株の作出を試みることにした.マツタケ菌糸体を液体培養し,種々の細胞壁溶解酵素を用い,プロトプラスト化の条件について検討した.その結果,0.5Mマンニトールを含む0.05Mマレイン酸バッファー(pH5.5)中で,1% Yatalaseおよび1% Cellulase ONOZUKA R-10を作用させた時に1.5×10^5個のプロトプラストが得られる様になった.その他に,β-glucuronidase, Zymolyase 20-T, Lysing enzyme等を作用させたが,効果は,殆どなかった.この結果,マツタケの細胞壁は,セルロース及びキチンが主成分であると考えられた.現在のところ,各種のマツタケ菌株のプロトプラストを作成し,再生株の取得を行っているところである.本研究に関わる外国人特別研究員の在任期間は,次年度6月までであることより,本研究は,引き続き継続して行っている.
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