2004 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ大湖沼産シクリッド科魚類の形態学的・遺伝学的関係の数量化に関する研究
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04F04209
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Research Institution | Kochi University |
Host Researcher |
山岡 耕作 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
KASSAM Dand 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | マラウィ湖産カワスズメ科魚類 / タンガニーカ湖産カワスズメ科魚類 / 幾何学的形態測定法 / AFLP |
Research Abstract |
16年度はマラウィ湖とタンガニイカ湖産シクリッド科魚類の形態形質と遺伝形質を調査した。そのうち論文としてインターナショナルジャーナルに掲載されたものが2編ある。一つはIchthyological Researchに発表され、マラウィ湖に固有なカワスズメ科魚類の一種で付着藻類食者であるPetrotilapia属3種間と同種雄雌間の形態変異を、幾何学的形態測定法により分析した論文である。本3種はこれまで体色のみで区別されて来たが、形態的差異があるかどうかを新たな手法を用いて探ったものである。同種雌雄個体間には有意な形態的差異は認められなかったが、3種の内1種は他の2種と形態的に異なった。特に差異の程度が大きかったのは頭部であり、その中でも口裂のサイズが顕著であった。従って、同属3種の内1種は、体色のみはかりではなく、体形等の外部形態による区別も可能であることが明らかとなった。もう一編の論文は、同じくマラウィ湖に固有のプランクトン食者と付着藻類食者各2種間の頭部骨格形(神経頭蓋、前上顎骨、下顎骨)の形態変異を分析したものである。それぞれのギルド内2種間では大きな差異が認められ、同所的共存を可能にする要素とかんがえられた。これらの他に、生態的同位種と言われるマラウィ湖とタンガニイカ湖の付着藻類食者間の形態変異を扱った論文を、Zoological Journal of Linnean Societyに投稿中である。今年度行ったAFLP法による遺伝学的研究は、マラウィ湖、,タンガニイカ湖の固有種を用いて続行中である。
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Research Products
(2 results)