2005 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ大湖沼産シクリッド科魚類の形態学的・遺伝学的関係の数量化に関する研究
Project/Area Number |
04F04209
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山岡 耕作 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KASSAM Daud 高知大学, 黒潮圏海洋科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アフリカ大湖沼産シクリッド / Geometric Morphometrics / Genetic Relationships / タンガニーカ湖 / マラウィ湖 |
Research Abstract |
爆発的種分化と特に摂食面における顕著な適応放散で有名なアフリカ大湖沼のタンガニーカ湖とマラウィ湖産シクリッド科魚類を研究材料とし、主に外部形態や内部骨格をGeometric Morphometricsで分析を行い、統計学的に有意差があるかどうかを客観的に分析した。また、遺伝学的にはAFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)を用いて、各種の遺伝学的な位置と遺伝的距離の分析を行った。その結果、これまで形態学的には色彩パターンのみが種を分ける為のキーとなる形質であるとされていた近縁種間でも、Geometric Morphometricsを用いると統計的に優位な差が種間に認められる事が明らかとなった。このことは本Geometic Morphometricsが、形態的類似性を客観的に分析する際の大変強力なツールである事を示す結果となった。また、これらの形態学的差異は、種間における摂食面や微生息場所の差を説明し、多種の共存機構を考察する際にも有効である事が示唆された。これらGeometric Morphometricsによる結果と、AFLPによる遺伝学的分析結果を総合すると、タンガニーカ湖とマラウィ湖にそれぞれ固有な分類群で、Ecomorphological面で大変類似し生態学的同位種とみられる仲間は、その由来は別の系統である事が明確となり、両者の類似性は収斂現象である事を強く指示する。Geometric Morphometricsは、従来の分析方法では不可能であった形態的類似性の客観的判断を可能にし、遺伝学的結果と比較することもより容易にする事であろう。
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