2004 Fiscal Year Annual Research Report
南アフリカの民間伝承薬に含まれる新規抗炎症アルカロイドに関する研究
Project/Area Number |
04F04217
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐藤 宏 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ELGORASHI E.E. 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗炎症薬 / シクロオキシゲナーゼ / アジュバント関節炎 / アカシア |
Research Abstract |
1.In vitro評価系の確立 C-14アラキドン酸からC-14プロスタグランジン(PG)の合成反応を利用し、PG合成に関与する酵素のシクロオキシゲナーゼ(以下COX)のサブタイプであるCOX-1(生理的機能に関与すると考えられている)およびCOX-2(炎症に関与すると考えられている)それぞれに対する作用を評価できる系を確立した。ちなみにCOX非選択的な阻害作用を示す抗炎症薬のインドメタシンのCOX-1とCOX-2に対するIC50値は2および131μmolであり、COX-2選択的阻害により抗炎症作用を示すメロキシカムのIC50値はそれぞれ>7.1および0.3mMであった。 2.スーダンで抗炎症薬として民間伝承薬に用いられているアカシア科の植物に含まれるアルカロイドのCOX阻害作用について 5種類の植物の葉および樹皮からジクロロメタンまたはメタノールで抽出したサンプルについてCOX-1またはCOX-2に対する阻害作用を評価した。 その結果3種類の植物の樹皮からジクロロメタンで抽出したサンプルにCOX-2により選択的な阻害作用を認めた。 3.アカシア科の植物のin vivoでの抗炎症作用について アジュバント関節炎ラットを用い、上記のサンプル中の1検体についてin vivoでの抗炎症作用を検討した。結核死菌(アジュバント)投与14日後より3日間サンプルを経口または皮下に投与したが、化合物の吸収が悪いためか、残念ながらこれまでのところ明らかな抗炎症作用は認められていない。 今後、アカシア由来の他のサンプルのin vivoでの抗炎症作用を調べるとともに、当学部の他の研究者から、カビおよびきのこ類の抽出物が提供される予定であるので、幅広くサンプルを収集し、COX阻害作用物質を探索する予定である。
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