2004 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおけるタイレリア原虫媒介性マダニに対するワクチン開発と野外応用への展開
Project/Area Number |
04F04219
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Host Researcher |
杉本 千尋 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授
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Foreign Research Fellow |
NAMANGALA Biniface 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | マダニ / 遺伝子クローニング / ワクチン / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
既に当研究グループではRhipicephalus appendiculatusのからセリンプロテアーゼcDNAを得ていることから(Mulenga A et al.2003)、同様のプライマーを設計し、Haemaphysalis qinhaiensisのgenomicDNAからセリンプロテアーゼ遺伝子の増幅を試みた。陽性バンドをプラスミドベクターにクローニングし、塩基配列を決定したが、既知のダニ由来セリンプロテアーゼ遺伝子と相同性を示すクローンは得られなかった。さらに、Haemaphysalis Iongicornis由来の唾液セメント物質(p29、HLp34)遺伝子配列を基にプライマーを設計し、各種増幅条件でPCRを行い、増幅産物の解析を行ったが、目的とする遺伝子断片は得られなかった。さらに、Haemaphysalis qinhaiensiscDNAライブラリーを構築し、ダニで頻回吸血させたウサギ血清を用いたイムノスクリーニングを実施し、いくつかの陽性クローンを得て、現在塩基配列を解析している。また、ワクチンを開発する上で使用するアジュバントとしてサイトカイン分子を利用できないかと考え、TGFβならびにインターロイキン1の経口投与効果を測定している。前者では原虫感染をある程度抑制し、非特異的な免疫反応を誘導できる可能性が示されたことから、その機序を探るため、Th-1,Th-2系のサイトカイン動態を解析する実験を進めている。
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