2005 Fiscal Year Annual Research Report
虚血・過興奮毒性条件下における心臓・脳細胞の三次元イメージングとアニオンチャネルマッピィング
Project/Area Number |
04F04224
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 生理学研究所, 細胞器官研究系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUTTA Amal Kumar 生理学研究所, 細胞器官研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | アニオンチャネル / ATP放出 / 容積調節 / 虚血 / 過興奮毒性 / 心筋細胞 / グリア細胞 |
Research Abstract |
昨年度は、走査イオンコンダクタンス顕微鏡法(SICM)とパッチ・クランプ法を組合せたいわゆる"Smart patch"法を駆使して、容積感受性外向整流性(VSOR)アニオンチャネルの心筋細胞膜上の局在を調べるマッピング研究を行ったので、本年度は容積依存性ATP透過性マキシアニオンチャネルの心筋細胞膜上でのマッピングを主として行った。新生仔ラット心臓から初代培養した心筋細胞は、浸透圧性細胞膨張、虚血、低酸素条件などにおいて細胞外へのATP放出を発生するが、その放出は細胞の中央部やその周囲部からが著しく、細胞末端伸展部では殆ど見られなかった。ATP放出路を与えることの知られているマキシアニオンチャネルの形質膜上の発現分布をSmart patch法で調べたところ、本チャネルの分布も中央部とその周囲部での発現が著しく、伸展部では殆んど見られないことが判明した。成熟ラット心臓から単離した心筋細胞では、これまでマキシアニオンチャネルは存在しないと報告されていたが、極めて細いパッチピペットを用いてSmart patch法を行うと、T管開口部付近やZ帯にのみマキシアニオンチャネルが発現していることがはじめて確認された。更には、マウス脳グリア細胞における検討へと研究を進めた。大脳皮質から単離培養したアストロサイトにグルタミン酸を投与して過興奮刺激すると、細胞膨張が引き起こされることがSCIM法によって確認された。現在、VSORクロライドチャネルやマキシアニオンチャネルの発現分布についてSmart patch法によって検討しているところである。
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