2005 Fiscal Year Annual Research Report
インドにおける大腸がんの環境要因・遺伝的要因の交互作用の研究
Project/Area Number |
04F04237
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
徳留 信寛 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 静文 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 大腸がん / 遺伝子多型 / MTHFR / PPAR-gamma / CCND1 |
Research Abstract |
大腸がんには多くの環境要因が関連していますが、そのなかで脂肪および食物繊維摂取が重要だと考えられます。また、遺伝的感受性が大腸がんの発症に重要な役割を担っていることも報告されています。インドには各種ベジタリアンがおり食物繊維摂取量が多く、また、脂肪摂取量が少ないので大腸がん罹患率が低いのではないかと考えられています。遺伝的要因・環境要因と大腸がんリスクの関連を明らかにするためにインドにおける大腸がんの症例対照研究を行っています。この研究では、喫煙、飲酒はある程度の大腸がんのリスクと関連していたことが示唆されましたが、野菜、果物の高摂取は大腸がんの発症リスクを下げる効果が見られました。 葉酸の代謝酵素MTHFRの遺伝子多型は大腸がんとの関連を検討したところ、MTHFR A1298C多型のCC型では統計学的に有意なリスクの低下を認め、さらに野菜の高摂取との交互作用が見られました。だが、MTHFR C677T多型と大腸がんのリスクとの関連は観察されませんでした。このほかに、脂肪の蓄積の主調節要因であるPPAR-gammaのPro12AlaとC161T遺伝子多型、細胞周期のG1期からS期への移行において重要な役割を演じるCCND1のA870G遺伝子多型と大腸がんの関連を検討しました。PPAR-gamma C161T多型のT alleleでは大腸がんのリスクが高く、特に結腸がんでは強い関連が観察されました。さらに、PPAR-gammaのPro-T haplotypeでは大腸がんリスクの高いことが見出されましたが、魚摂取の交互作用は認められませんでした。CCND1 AA型では大腸がんのリスクが高くなり、CCND1 A alleleが常染色体劣性遺伝形式に適合していることが認められました。さらにA870G多型は、肉、魚と野菜摂取により大腸がんリスクを修飾する可能性が示唆されました。
|
Research Products
(3 results)