2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患におけるLipid raftを介した細胞活性化の解析とその制御法の開発
Project/Area Number |
04F04244
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
梅原 久範 金沢医科大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 哲雄 金沢医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | リピッドラフト / アポトーシス / 全身性エリテマトーデス / スフィンゴミエリン / 自己免疫異常 |
Research Abstract |
本研究は,全身性エリテマトーデスにおける免疫異常を細胞活性化シグナル伝達の中心である細胞膜lipid raft(ラフト)の面から明らかにすることにある. 基礎的検討として,ラフトのアポトーシスシグナルにおける重要性を検討した.このために,Fas発現WR19L細胞よりスフィンゴミエリン欠損株WR/Fas-SM(-)を樹立し,我々がクローニングしたsphingomyelin synthase gene (SMS-1) (J.B.C.279:18688-18693,2000)を遺伝子導入したスフィンゴミエリン合成回復株(WR/Fas-SMS1)を樹立した.両細胞におけるFas誘導アポトーシスの差異を検討した結果,Fas抗体架橋刺激により,SMS1細胞はSM(-)細胞に比べ,有意にFasの凝集,アポトーシスシグナルが誘導された.ラフトへのFasの移動およびラフトでのセラミド合成能は,WR/Fas-SMS1細胞で有意に増加していた.このことは細胞膜におけるスフィンゴミエリンが,ラフトの形成およびアポトーシスシグナル伝達に重要であることを示唆している. 臨床的検討として,全身性エリテマトーデス患者リンパ球のラフト発現の解析を行った.SLE患者T細胞およびB細胞ではラフト発現が有意に増強していることを認めた.さらに,T細胞分画では,制御性T細胞と思われるCD25陽性分画およびメモリーT細胞であるCD45陽性分画におけるラフト発現が著明に増強していた.これらのラフト発現増強はSLE患者における異常な免疫活性化と良く相関していた.このことは,SLEにおける自己反応性リンパ球がラフト発現により同定出来る可能性があること,このラフトを制御すれば自己免疫異常を制御出来る可能性を示唆している.
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Research Products
(6 results)