2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04246
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武田 徹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THET THET LWIN 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 蛍光X線 / 位相X線 / CT / 肥大型心筋症 / 生体試料 / 実験動物 / I-127 BMIPP / 脂肪酸代謝 |
Research Abstract |
放射光を用いた新しい画像技術として、位相X線CT、蛍光X線CTの開発とその生物学的な応用を進めている。干渉計を用いた位相X線画像装置では、25mmの視野が得られ、現在、本格的な生体試料を用いた実験に入ろうとしている。本研究では、肥大型心筋症ハムスターを実験動物モデルとし、心筋細胞の変化および機能、代謝状況の詳細な観察が可能か検討する。これは、本研究分担者が大学院時代に取得した放射性同位元素を用いた動物実験技術を生かして、新しい画像化技術の可能性を実験的に検証できるためである。即ち、位相X線技術により、肥大型心筋症ハムスターの心臓の立体像を得、肥大型心筋症に伴う心筋組織繊維化や肥大部心筋の形態的変化を特定する。更に、蛍光X線CTを用い心筋ミトコンドリア機能異常を描出するBMIPP等の物質を投与し、その分布と位相画像で得られた形態変化を示す心筋との画像融合を行い病態の意味付けを行う。また、実験動物腫瘍の進展と種々の治療(陽子線や化学療法)効果を、位相X線CTと蛍光X線CTを用いて評価し、基礎医学的に新たな情報を提供する事を研究の目的とする。 肥大型心筋症ハムスター心臓の位相X線CT及び蛍光X線CT画像を、高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設で収集した。このハムスターは週齢により、肥大型心筋症の状態から拡張型心筋症に移行していくので、週齢の変化による代謝と形態変化の解析を行った。非放射性ヨウ素I-127を標識したBMIPPを注射5分後に心臓を摘出、ホルマリン固定し、空間分解能0.25mm(時に0.1mm)で蛍光X線CT像を収集した。BMIPPは正常の心筋では均一に分布したが、心筋症心筋では、BMIPPは不均一に分布し、心筋代謝障害が早期より生じている事が確認された。また、位相X線CTにより、病的な経年変化に伴う心室内の肉柱、心筋壁厚、心筋容積と主要冠動脈などの詳細な形態的な構造が捉えられた。これら2種類の装置により得られた画像の融合解析を行い、詳細な病態解析が可能となった。
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Research Products
(6 results)