2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04247
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
梅本 淳 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 春興 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 大腸発癌 / 胆汁酸 / FXR / c-fos / c-myc / ERβ |
Research Abstract |
【目的】胆汁酸の大腸発癌に対する作用経路及び胆汁酸レセプターFXRが胆汁酸大腸発癌過程の修飾に関与しているかどうかを検討した。 【方法】(1)FXR-K/Oマウスとそのwild typeマウス(7週齢)に対し、大腸発癌物質DMH(20mg/kg)を週1回×12週間皮下投与しDMH投与開始と共に基礎食(MF)のみ、0.4%CDCA含有MF、0.4%UDCA含有MFの三種類餌をwild typeマウス、FXR-K/Oマウス雌雄別に投与し、43週齢で犠牲死させ、大腸腫瘍発生を調べた。(2)培養したヒト大腸癌細胞HCT116にCDCA、DCA、UDCAを3時間作用させ、細胞増殖、またc-fos、c-myc及びERβのmRNA発現を調べた。 【結果】(1)発癌実験においては雄で、FXRをK/Oすると対照群やCDCA投与群における腫瘍発生個数が抑制された。UDCA投与群ではFXRのK/O群で腫瘍発生が抑制される傾向が見られた。(2)培養細胞系においてはCDCAとDCAは濃度依存的に細胞増殖を促進したが、UDCAは抑制した。CDCAとDCAはc-fos mRNA発現を濃度依存的に強く促進したが、UDCAは抑制した。c-myc mRNAの発現はCDCAとDCAにより増加し、UDCAでも増加傾向が見られた。ERβ mRNA発現はDCAにより促進された。 【総括】(1)CDCAがFXRを介して大腸発癌を促進している可能性が示唆された。(2)CDCAはc-fosを介して細胞増殖を促進する一方、Fasリガンドのc-mycを介した経路ではApoptosisを起し、細胞増殖を抑制することが示唆された。DCAは類似の傾向が示され、その作用はCDCAより強かった。またDCAがERβを介して大腸発癌を修飾している可能性も示された。UDCAは主にc-fosを介して作用させることが分った。
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