2004 Fiscal Year Annual Research Report
EP4アゴニストは機械的刺激による骨形成の促進に相乗的に作用する
Project/Area Number |
04F04250
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 大学院医歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHUNG Chooryung Judi 東京医科歯科大学, 大学院医歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 歯の移動 / 骨形成 / 機械的刺激 / EP4 |
Research Abstract |
歯周炎、不正咬合など、歯槽骨の減少の原因は多数報告されているが、その治療にあたる生体内(in vivo)での骨形成、骨再生のメカニズムは明らかになっていない。一方、矯正治療に用いられる機械的刺激は歯の移動とともに骨形成を促進することが知られている。また、局所において骨代謝を調節する主因子であるPGE受容体のEP4は骨芽細胞に多く局在し、長管骨の形成に特異的に作用すると報告された。今回は生体内おいて、EP4のアゴニストと機械的刺激を同時に作用させることにより、歯槽骨が相乗的に形成される可能性と、骨形成の促進に伴い歯の移動速度が増加することを証明することを目的とした。 EP4のアゴニストと機械的刺激による歯槽骨形成の促進作用を生体内で明らかにするために、機械的刺激を用いた歯の移動モデルにおいて局所的EP4アゴニストが投与できるモデルの開発を試みた。以前から使用していたマウスモデルの場合、EP4アゴニストの投与による長管骨の骨形成の効率が悪いこと、また効率を上げるために骨膜への直接投与が必要になるという報告から、ラットを使う実験系に変更した。またマウスに比べてラットは大きい為歯を移動させる機械的刺激として用いてきた前歯と臼歯を結ぶcoil springが咬合力に耐えられずに破断するという問題が生じた。そこで臼歯部のみの装置を用いて動物の週齢を減らすことにした。移動させる上顎第一臼歯でその遠心死肉に15μg/kg,2times/dayのEP4を投与した。まずラットの実験モデルの確立とEP4アゴニストの臨床応用を検討するために実験期間中の体重、摂食の変化をモニタリングした結果、EP4単独投与群、機械的刺激+EP4アゴニスト投与群、機械的刺激だけのsham群、コントロール群には有意な差は認められなかった。しかしEP4アゴニスト単独投与群に置いては長期のinjectionに伴い急死することもあった。(2匹/6匹)これらの変更を参考に予備実験を行いEP4アゴニストによる歯の移動速度、距離、歯槽骨レベルを軟X線において観察を行い、その傾向、有意差を観察している。
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