2006 Fiscal Year Annual Research Report
脱儒から脱亜へ-日本近世・近代の思想変化と東アジア思想構図の再構成-
Project/Area Number |
04F04252
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒住 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
韓 東育 東京大学, 大学院総合文化研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 脱儒 / 脱亜 / 実用主義 / 民族主義 / 発展論 / 儒教資本主義 / 東アジア / 思想的資源 |
Research Abstract |
・日本近世・近代史における「脱儒」「脱亜」過程の解明: 従来の日本「脱儒史」の研究空洞を埋め、「脱亜入欧」運動の原因とその機能とが具体的に明らかにされた。関係成果は『歴史研究』(北京)、『中国社会科学』(北京)などによって掲載された。 ・儒教資本主義論の乗り越え: 多面的に検討することを通じて、日本=「儒教的資本主義」という東アジア地域に広がった命題に疑問を投げかけ、これを乗り越える東アジア思想史の構図を提起することが期待できるようになった。関係成果は『精華大学学報』(北京)、『求是学刊』などの雑誌によって掲載された。 ・日本近代化における東アジア思想資源の意義と再定位とその中国等への提供: 近代的な課題が完成できず、今もなお「発展途上国」のレベルにとどまっている中国に、近代化についての日本の成熟した経験をより真実に提供することができるようになった。関係成果は『思想史研究』(雑誌)及び『道学の病理』(著書)の出版を通じて公刊された。 ・東アジア近代・近代の思想変容史構図の提起: 中日の近世・近代の思想史について、ただ欧米思想史の援用ではなく、東アジア諸地域の思想資源を十分に加味した思想変容史を構築する。これは、日中以外の他の諸地域についても、今後の比較検討と対話を進めるに役立つものと信ずる。『「脱儒」から「脱亜」へ』という著書は最終成果として、2008年に人民出版社によって出版される予定。
|