2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国における生産組織の解体と再編:景徳鎮セラミックス産業を中心に
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04F04270
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Research Institution | Nagoya University |
Host Researcher |
竹内 常善 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
喩 仲乾 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 生産システム / ギルド / 同業組織 / セラミックス / 窯業 / 中国 / 工業化 / 景徳鎮 |
Research Abstract |
1、「第3章 中国における生産システム:景徳鎮窯業を中心に」、20005年3月、竹内常善編『中国工業化の地域的基礎(東アジア研究叢書VI)』pp.115-132。市場経済にともない、かって近代化の象徴とされていた大規模な機械化生産システムが崩れつつある。それを代替する新しい生産システムとして、多数の中小企業が競争と協力の関係を展開しつつ新たな経済的分業関係を構築しようとしている。本論文は、このような新しい生産システムの発展傾向に着目し、その具体的な実像の解明を景徳鎮窯業の事例を通じて試みた。 2、中国佛山セラミックス産業調査(2004年12月5日〜18日)。研究課題の計画の一環として、中国のもうひとつの代表的なセラミックス産地である広東省佛山市のタイル産業を取り上げて調査を行った。発展初期段階では、佛山集団という大型国有企業が外国製生産設備を導入し、機械設備の国産化にも成果をとげ、また他の産地より早く市場需要を察知しタイル産業の基盤を築いた。しかし、その後国有企業で培われた技術や人材は郷鎮企業や民間企業に浸透しこれらの企業が成長し、タイル産業の基盤はさらに拡大した。今日に至って佛山は中国ないし世界でも生産規模がもっとも大きいタイル産地となっている。ただ、例えば、この産業の発生や成長の過程においては同業組織(組合)がどういった役割を果たしていたかといったより具体的な実像を解明するために、さらなる調査が必要であると考える。 3、上海歴史档案(とうあん)館(資料館)等での資料収集(2003年3月5日〜10日)。近代中国におけるギルド(同業組織)がいかなる形で消えていたかという問題意識を持って、社会主義改造運動期(1949〜1956)におけるギルドの改造に関する資料の収集を行った。現在では、これらの資料を整理・分析中。 4、瀬戸市セラミックス産業調査(20005年1月〜現在)。瀬戸市国際交流会及び瀬戸市セラミックス産業関係団体の協力を得て瀬戸市のセラミックス産業における同業組合の役割を調査中。この調査は、研究課題の計画に示しているように中国のそれと比較するためである。
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Research Products
(1 results)