2004 Fiscal Year Annual Research Report
シムビオテック(共生的)コミットメントからみる日本組織のコミットメント構造に対する統計的な分析
Project/Area Number |
04F04271
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 猛 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAMARAKOON M.P.S. 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | コミットメント / 共生 / 企業経営 / 人的資源管理 / 国際比較研究 / スリランカ / 日本 |
Research Abstract |
今期の研究の中心的であったコミットメントに関する理論的な研究は計画通り終了できた.コミットメントのこれまでの研究は,従業員側の企業への関与という観点が強く,本研究の中核的な概念である「従業員および経営側双方からのコミットメント(共生的コミットメント)」という概念を論じている研究は見あたらなかった.そこで,この概念を用いて研究を継続すれば,コミットメント研究全体の発展に多大な貢献ができることを確認できた. 次に,実証研究の核である質問票調査については以下の通りである.共生的コミットメントという概念は,かなり抽象度が高いために、そのままそれを質問に移すことは困難である。どのような質問項目を設定すれば的確な結果が得られるかを見極めるために、質問項目の慎重な設計を行う必要がある.今期では,理論的な研究を先行して行ったために,質問の設計に十分な時間的な余裕がなく,完全な質問票ができあがらなかった.そのために,試行的な質問調査ではなく,研究分担者との間での質問票の内容の点検にとどまった.両名の間では質問票は完成の域に達していると考えてはいるが,やはり試行的な調査を行い,本格的な調査に耐えうる質問票を作成したいと考えている. なお,研究分担者によって,複数のスリランカの企業関係者に,口頭ではあるが共生的コミットメントの概念的な説明を行った.抽象的な内容にもかかわらず,概ね理解を得られている.このような企業経営者に理解を得られたことで,共生的なコミットメント概念のアジア地域での実践的な適用可能性は部分的ではあるが証明できたのではないかと考えている.
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