2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本における歴史的建造物保存修理事業の方法と展開、その国際関係に関する研究
Project/Area Number |
04F04280
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
稲葉 信子 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター・企画情報研究室, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UGO MIZUKO 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター・企画情報研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | 歴史的建造物 / 保存 / 修復 / 復原・復元 / 戦後 |
Research Abstract |
実際に行われる歴史的建造物の保存事業を理解するため、昨年に引き続き、2005(平成17)年4月より、日本国内で民家、社寺、町家、工場、鉱山など、多くのタイプの文化財と伝統的建造物群保存地区を見学した。その保存修理現場を見学し、技術者のお話を聞いた。特に、唐招提寺金堂の全解体修理現場、日光東照宮の彩色修理現場、厳島神社の部分的な屋根の葺き替え工事を通じて、現在行われている修理方法を観察し、研究することができた。木を建設材にすることと、各部のすべてが解体可能であること、以上二つの要素を基盤とする木造建築修理の特性について日本以外の専門家と議論を深めた。 以上のような知見を総合し、2005(平成17)年10月にペスカラ大学(イタリア中部)主催の日・伊建築の国際会議で、また、2006(平成18)年3月にはアジア・パシフィック地域を対象とした国連訓練調査研究所(ユニタール)主催の研修で、日本の歴史的建造物の保存修理に関する発表をおこなった。 今後は、日本国内の木造建築の修理、とくに解体修理をめぐる議論と現在の修理方法との関係を取り上げるとともに、国際会議などを通じて、どのように日本の建造物修理が海外で紹介され理解されてきたか、どのような点が理解されてこなかったのかについて研究を進めてゆきたい。 イタリア(ミラノ、シチリア州)、オランダ(アムステルダム、ロッテルダム、ハーグなど)、イギリス(イングランドやウエルズの産業遺産地域、湖水地方など)でも調査を行い、文化財保護行政についての資料を収集、聞き取り調査をした。
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Research Products
(1 results)