2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工内耳のスピーチプロセッサのための新しい信号処理方式の評価
Project/Area Number |
04F04287
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
北澤 茂良 静岡大学, 情報学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エルデネバット トゥムト・ダシュツェレン 静岡大学, 情報学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 人工内耳 / 人工内耳聴取音 / ストラテジ / コクレア / ACE / CSPE |
Research Abstract |
人工内耳は我国において既に20年近い実績があるが、依然として通常の聴覚とはかなり異なり、言語聴取能力が不完全なばかりでなく、環境音や音楽の聴取はまだ不可能である。代表者は研究分担者の元国費留学生エルデネバット氏と共に5年間の研究成果として新しい人工内耳の信号処理方式CSPE(パルス評価によるチャネル選択)方式を開発し、特許申請を終えた。本方式は聴覚末梢系の信号処理原理に基づいており、従来方式に比べてより自然な聴覚が得られることは短時間のオフラインの聴取実験結果から確認できている。本研究は、実時間処理可能なCSPE方式を開発して人工内耳装用者のスピーチプロセッサ上に実装し、CSPEが人工内耳装用者に実装したときに従来方式に比べてどの程度有効であるのかを実証することを目指している。本年度は、実験室内でのオフラインの信号処理アルゴリズムを補強して、実際上の安全措置や装用者への適応手段を組込んだスピーチプロセッサ上で実時間処理できるアルゴリズムの実装を行ってきた。これに先立ち、国内外での学会の動向を調査し、先行特許の調査、市場調査を行い、CSPEに相当する先行技術はなく、従来の方式に比べて高品質の人工内耳伝達音を実現する見込みであることを確認して、内部のレポート(非公開)を作成した。今後は、人工内耳装用者の評価を経て、従来方式に対する優位性を確認する。
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