2004 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュの水災害リスク-海面上昇と気候変動に対するリスク評価と減災計画
Project/Area Number |
04F04295
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
三村 信男 茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARIM Mohammed Fazlul 茨城大学, 広域水圏環境科学教育研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | バングラデシュ / 海面上昇 / 気候変動 / 高潮 / 氾濫 / 影響評価 / 適応策 / 減災計画 |
Research Abstract |
本研究は、バングラデシュを対象にして、将来の気候変動・海面上昇の影響を含めた水災害リスク(洪水・高潮)の予測手法の開発、および適応策を含む減災・防災戦略の検討を行うものである。バングラデシュでは気候変動と海面上昇によって水災害リスクが大きく増大することが懸念されるため、本研究は以下の4点を目的にして実施する。1)過去の洪水・高潮災害と社会的条件を統合する地理情報システム(GIS)データベースの構築、2)氾濫リスクの予測モデルを開発による、2100年までのリスク変化の推定、3)工学手段(堤防、護岸、シェルターなど)とマングローブなどの自然植生・地形を組み合わせた防災手法及びソフト対策(早期警戒システムなど)を組み合わせた適応対策・防災対策の検討、4)政府職員・NGOなどを対象にしたワークショップの開催。現在の政策と将来必要となる対応策のギャップを把握し今後の対応策のガイドラインを提示する。 平成16年度は、外国人特別研究員申請書に記載した研究計画にしたがって研究を実施した。 すなわち、GISベースの水災害データベースの構築と氾濫影響予測モデルの開発のために、バングラデシュで開催されたワークショップに参加するとともに、過去の氾濫・高潮災害と地形、気候条件、人口分布、土地利用等の自然・社会経済データを広範囲に収集した。これらのデータをGISを用いて統合している。さらに、本研究室で開発した氾濫予測モデルを将来の気候変動・海面上昇による氾濫域を推定するために変更を加えている。 さらに、3月1〜8日にインド洋津波の被害調査のために茨城大学が派遣した被害調査団に参加し、津波被害の実態と復興のプロセスについて調査した。この調査結果は、沿岸域の脆弱性を決める要因を特定し、海面上昇と高潮被害に対する適応策を検討するために有効である。
|