2004 Fiscal Year Annual Research Report
イラン既存不適格建物の耐震補強法を推進するための技術的・制度的システムの開発
Project/Area Number |
04F04296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
目黒 公郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Foreign Research Fellow |
NASROLLAHZADEH NESHELI Kouroush 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | イラン / 組積造 / 耐震補強 / 地震被害 / 既存不適格建物 |
Research Abstract |
本研究では,イランの既存不適格建物に対する安価で効率的な耐震補強方法として,ポリエチレン製の荷造りひもで作成したメッシュで壁を挟みこむ手法を提案する.本年度は,震動台を用いたスケール供試体の破壊実験による耐震補強手法の強度実験とそのための準備作業を行った.震動台は研究代表者の所属する東京大学生産技術研究所の地震工学研究グループが所有する電動式3時元6自由度震動台である.スケール供試体とは,用いる震動台の性能から,実物大の供試体では破壊現象を再現できないために,小型サイズのレンガやアドベ(日干しレンガ)を用いて作成した供試体であり,概ね1/4程度の縮小率のものとした.破壊実験を行うにあたり,まずはレンガおよびアドベの材料特性の検証を行い,簡易な1階建て家屋を模擬した供試体を作成した.当初研究計画ではまず最初に数値解析シミュレータの開発に着手する予定であったが,日干しレンガの作成と養生には時間を要することから,まず最初にレンガの発注と供試体の作成に着手するものとした. また,破壊挙動を数値解析により再現するための組積造対応型応用要素法(AEM)の開発も合わせて進めた.今後は破壊実験の実施と平行して,数値解析手法の開発・数値実験も行っていく予定である. 本研究のもう一方の柱である,耐震補強を推進するための制度的システムの検討については,イランにおける建築基準や建設業界の現状に関する情報収集を行った.
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