2004 Fiscal Year Annual Research Report
現地地盤調査及び室内実験に基づく森林斜面の崩壊危険度評価
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04F04298
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
SIDLE Roy Carl 京都大学, 防災研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRANDAFIR Aurelian Catalin 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 森林斜面 / 地震 / 降雨浸透 / 間隙圧 / せん断強度 / 地すべり / 危険度予測 / ハザードマップ |
Research Abstract |
今年度(6ヶ月間)は、急斜面上での様々な地すべりポイントでフィールド調査及び測定を行った。研究を始めるに当たり、土壌せん断強度指数を調べるため、奈良県十津川村の斜面で、ベーンせん断試験を行った。そして、斜面崩壊が予測されるサイトでの浸透圧テストの結果、設置予定のテンシオメータ(サクション測定の為)の最適な長さを確定する事ができた。同時に、様々な深さにおける土壌物性値を得る事ができた。'また、地形測量を行い斜面安定解析に必要な斜面プロファイルを得た。撹乱土壌サンプルと非撹乱土壌サンプルを地すべりが起こった斜面から採取し、室内実験によって斜面の安定解析に必要なせん断強度定数を得た。 また、中越地震(平成16年10月23日)の発生を受けて、地すべりの発生範囲や原因を調査した。国土地理院が作成した小千谷市・新潟市・山古志村を対象とした地すべり災害マップと現地調査の結果を基に、震源地の距離と斜面の角度そして、地震前の雨量の相互関係により地震による地すべりの空間分布とメカニズムを明らかにした。 広範囲に及ぶ地すべりの被害は地質学的、地形学的要因に加え震源が浅いことと加速度が大きかったことに拠ることがわかった。地すべり発生密度が最も高かった地区(12個/1平方キロ)は山古志村中心部に位置する震源(M6.5)の周囲であった。この高密度は、その地域の地盤安定度を左右する地質学的地形学的要因に加え、最初の2つの地震(M6.8とM6.3)の揺れの累積作用の結果と思われる。この地域の地すべりの約65%は傾斜度30度以上の地点で起きている。主要道路も地すべりのため閉鎖され、芋川、前沢川合流地点では地すべりによりダムができた。大きな地すべりが河川に流入すると土砂流出量が増加し環境被害が大きくなる。この地震により水道、電気等が大きな被害を受けたが、その一因が地すべりである。
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Research Products
(1 results)