2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04307
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三田 一郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Deshan 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | B Physics / CP Violation / QCD |
Research Abstract |
名古屋大学素粒子論研究室ではB中間子の崩壊の研究が進められている。特に近年注目されているのは摂動的QCDの計算手法(PQCD)である。わたしはPQCDと競っているQCD Factorizationと呼ばれる手法を使うグループに属していた。今後両方の手法を熟知する研究者としてこの研究分野に寄与して行きたい。 まず名古屋大学に来る前に共同研究者M.BenekeとJ.Rohrer (RWTH Aachen, Germany)で行なっていた研究を2-3ヶ月で終了させるつもりである。 1.Soft-collinear effective theory (SCET)は組織的な摂動展開を可能とする。この手法を用いて重いクォークから軽いクォークへのフォームファクターを計算した。 2.QCD Factorizationを用いてB中間子が2個のスピン1のメソンに崩壊する過程を調べた。特に興味深い問題としてB→φK^*崩壊過程の変極度がある。QCD Factorizationが予言する変極度と実験結果が大きく異なる。 さらに、B→K^*γ、K^*l^+l^-の崩壊に興味を持っている。β→K^*l^+l^-でback-forward asymmetryがゼロになる点ではC_gが理論的な不確定性がなく観測可能であることが知られている。この観測が標準模型の予言と異なれば新しい物理を観測したことになる。この結果を有意義に用いるには輻射補正を計算する必要がある。現在素粒子論研究室の院生もこの崩壊過程に興味を持っているのでなるべく共同研究を進めたいと考え、現在この研究を行なう準備研究を進めている。
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