2005 Fiscal Year Annual Research Report
空孔励起による等、新しい機構の超流動、量子凝縮現象の探査
Project/Area Number |
04F04312
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保田 実 東京大学, 物性研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PENZYEV Andrey 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子凝縮 / 固体ヘリウム4 / 超流動 / 空孔励起 / 超流動固体 / 超低温 |
Research Abstract |
超流動現象は長年液体ヘリウムでのみ観測されて来た。これは超流動現象が相互作用の無い系で実現すると考えられて来たボーズ凝縮と深い関わりを持つ事からすると不思議な事柄である。状況を更に極端にするのは強い相互作用て多数粒子からなる系が粒子間の相互作用で固体を形成する様な系での超流動の可能性を議論する事である。実はこの間題は古く1960年代終わりから盛んに理論的に議論され、実験的にも多くの探査実験が報告されている。しかし2004年のMoses Chanによる固体ヘリウムでの報告まで30数年間に亘って決定的な観測は皆無であった。 PENZYEV博士は、He単原子薄膜系、及び固体ヘリウム中での新しい機構の超流動、量子凝縮現象の探査を研究代表者久保田と共に実験的に探求している。久保田研究室で開発した高感度捻り振り子法を用い、新しい超流動及び量子凝縮現象の観測を狙って来た。最近、慎重に準備して来た独自の捻り振り子でバルクの固体ヘリウムの超流動個体状態を観測し、そのメカニスムを明らかにする為結晶内の空孔等不完全性を取り除くアニーリングの操作の影響を調べた。この結果の一部は久保田がカリフォルニア大学サンタバーバラ校理論物理学研究所で開かれた次の国際ワークショップで口頭発表した。 また、これ以前、超流動性を確認するため量子渦の存在とその観測方法に付いて久保田、Penzyevらは低温物理国際会議で多孔質中のHe薄膜からなる「3次元超流動」の性質と3次元渦糸を議論し、これとの類似性から超流動固体ヘリウム中での量子渦糸の観測法の提案を行った。
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Research Products
(2 results)