2006 Fiscal Year Annual Research Report
空孔励起による等、新しい機構の超流動、量子凝縮現象の探査
Project/Area Number |
04F04312
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保田 実 東京大学, 物性研究所, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PENZYEV Andrey 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 固体ヘリウム / 超流動 / 回転実験 / 量子渦 |
Research Abstract |
固体ヘリウムは結晶格子を組み固体の性質を保持しながら同時に流体が粘性なく細い通り道を通り抜けると言う超流動の性質を持つ「超流動固体」状態を取り得ると言う議論が1960年代の理論的議論があって世界中で35年余りも探査が続けられて来たが、2003年米国のペンシルバニア大のMoses Chan教授のグループが初めて超流動固体の非古典的角運動量を観測したと言う報告を行った。その後各地で追試が試みられたが、2005年末から本年初めにかけて3つのグループが、超流動固体にまつわる非古典的角運動量の観測を行った。Andrey Penzyevと私たちはその一つのグループである。単に非古典的角運動量を計るだけでなく、固体ヘリウム試料をアニールする事によって密度分布を均一にし、より大きな信号が得られる事を示した。更に、高感度捻り振子法を回転している固体ヘリウムの系に適用し、量子渦状態を研究する試みが続いている。なお、文献1は、どのようにして渦糸が捻り振子に依って超流動固体中で観測されるかを議論したものである。この様な、固体超流動の回転実験は世界にまたとない実験であり、今後の展開に期待している。
|