2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04313
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 克哉 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOLMES Alexander Thomas 大阪大学, 極限科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 重い電子系 / 比熱測定 / 金属-絶縁体転移 / 高圧 |
Research Abstract |
最近、セリウムやウラン化合物などのいわゆる重い電子系物質における物性研究が世界的に注目を浴びている。高圧下の磁性研究および超伝導研究においては、従来の電気抵抗測定から得られる情報には限りがあり、精密な実験とその実験結果の解析のために、比熱測定の他、多種な実験手法の開発と実施が急務である。 本年度は、10万気圧超級の高圧力下における比熱測定技術開発を行った。この測定を行うために、専用のダイヤモンドアンビルセル(DAC)を新たに作成し、これを用いて抵抗加熱法による比熱測定を目指した。 まず、別途導入している測定用の冷凍機を、本研究に使用するために調整を行った。また、冷凍機は試料空間が直径およそ30mmであり、従来の33mmのDACでは挿入ができない。新たに直径25mmのDACを設計・作成し、30万気圧までの加圧と電気抵抗測定を可能にすることを目指して開発を行った。DACに使用するダイヤモンド・アンビルは先端の直径550ミクロンと500ミクロンの2種類を用いた。発生する圧力は、本来は静水圧力であることが好ましい。そのために圧力媒体にはヘリウムを用いる予定であるが、今年度はアルコール系の液体媒体によって加圧して、DACの作成精度を試験した。その結果、アルコール系の圧力媒体ではあるが30万気圧を発生することに成功した。 試料に与える熱は、コンピュータ制御した電流発生源で発生したパルス電流により発生させることに決定した。DAC内に仕込んだ微小なヒーターをパルス電流によって加熱して、試料に取り付けた微少な熱電対によつて温度を検出する方法とした。このためのヒーターと熱電対をリソグラフ法を応用して作成した。
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