2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04315
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡邊 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ITIN A.P. 電気通信大学, 電気通信学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁気トラップとBEC操作 / 量子渦発生機構 / 振動場によるBEC安定化 / phase imprinting |
Research Abstract |
以下の2項目について成果を上げて、項目1)については論文をPRAに投稿し、現在加筆修正中。項目2)についてはPRA投稿予定の論文を鋭意執筆中。なお、項目1)と2)についてはすでに、LANLオンライン・アーカイバーに掲載:1)arXiv : cond-mat/0506472、2)arXiv : cond-mat/0603699。 1)時間について振動する磁場によって、引力型BECがトラップなしで安定化する現象を解析的および数値的に分析した。多くの著者らが取り扱った方法は、等しく波動関数の位相に2次の動径依存性を仮定するが、数値解の位相はこれと大きく異なるという不備があることを指摘した。従って、BECの準安定化が起きるための相互作用の強度を表すパラメターにどのような臨界値があるのかを種々の変分関数を用いて計算し、各々の信頼性を吟味した。 2)2005年にMITのKetterleグループが報告したアトムチップによるBECの分離の実験では、その過程で計らずも量子渦の発生することが観測された。GP方程式を用いた分析を行って、(a)phase imprintingと呼ばれる効果によって渦度の符号の異なる量子渦の対が発生すること、また(b)力学的な効果によって渦度が同符号の量子渦の対が発生すする可能性を示した。今後のBEC操作に対して指針を与える有用な結果を得た。 3)100個程度の粒子からなるBECの分割を、1次元井戸の問題として厳密に取り扱う方法で解析中である。これによって、パラメーター空間を適切に選ぶと、相空間内で基底状態の伏見表示に2個の固定点を持つ新奇な状態の存在が分かった。
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