2005 Fiscal Year Annual Research Report
地震波形エンベロープ解析に基づくマントルの不均質構造の研究
Project/Area Number |
04F04318
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 春夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Won Sang 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Coda wave / Mantle heterogeneity / Scattering coefficient / Multiple isotropic scattering / Power-law / Period dependence |
Research Abstract |
地震波形のコーダ部分は,ランダムな不均質構造によって散乱された地震波動と解釈される.それゆえ,コーダ波の振幅や振幅の時間減衰は,固体地球の構造の不均質の尺度を測る良い指標となる.世界中に展開したIRIS地震観測網によって捉えられたS波に続くコーダ波を解析し,コアマントル境界での反射波ScS相の前後でその勾配が変化したことを発見した.PREMに基づく速度構造に不均質が分布する構造を考え,モンテカルロシミュレーションによってエンベロープを計算し,観測データを最も良く説明する散乱強度の深さ分布を求めた.その結果,リソスフェアと上部マントルでは散乱が強く,下部マントルでは散乱が弱いことが明らかになった.解析研究をさらに進め,コーダ波のエンベロープの時間的な減少の仕方は,指数関数的というよりも,経過時間の冪乗に従うと考える方が良いことを発見した.これは従来のモデルとは異なり,新しい発見である.中心周期をT_cとすると,震源時から時間t経過したコーダ振幅は,A(t,T_c)∞t^<-a(T_c)>と表わすことができる.このとき,冪αは周期に強く依存し,地域に寄って異なることが明らかになった.これらは,観測点直下の不均質の程度を反映しているもとの考えられる.
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Research Products
(2 results)