2005 Fiscal Year Annual Research Report
エジプトカルーン湖堆積物による古気候復元およびリンと鉄収支との関係に関する研究
Project/Area Number |
04F04324
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茅根 創 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAIOUMY Hassan Mohamed 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 古環境変動 / 湖コア / 湖底堆積物 / X線分析顕微鏡 / エジプト / ナイル川 / 古地磁気 / 花粉、珪藻 |
Research Abstract |
エジプトのナイル川下流の内陸湖、カルーン湖において採取したコアの堆積学的・地球化学的分析を行った。 ・コアのX線画像によって、化石に富む粘土、無層理灰色粘土、無層理黒色粘土、不明瞭なラミナを持つ粘土、細かなラミナを持つ粘土、粗いラミナを持つ粘土の6つの層相を区分した。 ・古地磁気測定による年代推定、コア間の対比と、層相解析の結果をあわせ、無層理粘土からなるユニット1(0-1000年前)。ラミナを持つ粘土からなるユニット2(1000-2000年前)、無層理とラミナの互層からなるユニット3(2000-2500年前)、ユニット4(2500-3000年前)、無層理粘土からなるユニット5(3000-5000年前)、ユニット6(5000年前以前の6つのユニットに区分した。 ・XGTによる10mmごとの元素分析結果を、花粉分析と珪藻分析結果と比較することによって、Al, K, Ti, Feなど異地性の元素が少ない層準は湖の水位が低い乾燥した気候と一致し、多い層準は湖の水位が高い湿潤な気候と一致した。 ・XGTによる0.5mmごとの高分解での元素分析結果によって、Al、K、Ti、Siの変動が見られた。これは季節変化に対応する。これによって、ラミナは、季節的な雨季・乾季とその年変動を記録していることが明らかになった。
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