2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04325
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海保 邦夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAUL Gorjan 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 硫黄同位体比 / 大量絶滅 / 小天体衝突 / 硫黄 / ペルム紀 |
Research Abstract |
平成16年11月30日に来日し、平成16年12月から平成17年1月まで、文献、設備、試薬の準備を行なった。1月から2月に硫黄同位体比測定の前処理と質量分析計によるテストを行なった。その結果、分析誤差が十分に小さく、問題なく研究できることが分かった。3月に、大量絶滅を記録した中国南部のライビンの中期ペルム紀/後期ペルム紀境界(グアダルピアン/ローピンジアン(G/L)境界)の4試料とイタリア北部のブラのペルム紀/三畳紀境界の20試料の硫黄同位体比測定の前処理を行なった。ライビンの試料については、硫黄同位体比測定を行なった。すでに測定済の同セクションのデータと合わせると、硫酸塩の硫黄同位体比は、G/L境界付近で、減少している。このことは、マントルから硫黄が大気海洋に大量に放出付加したか、低酸素深層水が表層水と混合し、硫化水素が酸化したことを意味する。これは、以前に報告した中国のペルム紀/三畳紀境界と同じ変化であり、大量絶滅の原因が似ていることを示唆している。イタリア北部のブラのペルム紀/三畳紀境界の測定は、4月に行なう予定であり、中国と同様の変動が認められるかが焦点になる。今後は、大量絶滅を記録しているデボン紀後期のフラスニアン/ファメニアン境界、白亜紀/第三紀境界の硫酸塩の硫黄同位体比測定をし、これらの大量絶滅の原因について論じたい。
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Research Products
(5 results)