2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04344
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田中 信雄 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAN Cheng Hock 首都大学東京, システムデザイン研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アクティブノイズコントロール / パラメトリックスピーカー / 非線形音響学 / 超音波 / 適応アルゴリズム / 有限振幅音波 / 振幅変調 |
Research Abstract |
本課題においては,音のスポットライト(PAL : Parametric Array Loudspeaker)の原理と特性の解析に始まり,次いで,これを利用した環境騒音の静粛化技術について研究を行った.まず,PALから放射される音の音圧分布を計測し,超音波ビームの様子を可視化した.次に,Filtered-x LMSアルゴリズムとPALを基調とした適応フィードフォワード制御系を構築し,従来のスピーカを用いた手法との比較を行うことで当該手法の有用性を示した.さらに,文献調査から,超音波ビームが人体に与える影響について考察し,許容される音圧強度に関する提言を行った.それぞれの結果を以下にまとめる. (1)実験的に取得された音圧分のデータから音軸投射に関わる指向性ビーム角度をカーブフィッティングにより求めた.ビーム角度は周波数に依存し,1kHzと4kHzでの理論的な計算結果はそれぞれ15.6°と7.8°となる.これに対し,実験で得られた結果はそれぞれ15.1°と7.5°となり,理論値とほぼ同様の値を示した. (2)従来のスピーカを制御音源としたANCは,制御対象点では音圧を抑制できるが,そのほかの領域においては,逆に騒音が大きくなる場合がある.この問題を解決するために,従来のANCにPALを導入することで,制御対象点以外に影響を及ぼさない新しい制御系を構築した. (3)超音波暴露に関しては各国において基準が設けられていが,これらの基準は周波数・音圧関しては策定されているものの,スピーカからの距離や暴露時間に関しては統一されていない.そこで,様々な条件が不統一であった超音波暴露に関する文献を調べ,生理的障害を一元化した図を作成した.この図から,50Hz-70Hzの周波数においては137dB以下の範囲でのパラメトリックスピーカーの使用を推奨することを提案した.
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Research Products
(6 results)