2005 Fiscal Year Annual Research Report
重要永久土木構造物として建設した人工繊維で補強した盛土構造物の残留変形の予測
Project/Area Number |
04F04358
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
龍岡 文夫 東京理科大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KONGKITKUL Warat 東京理科大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ジオシンセティックス / ジオシンセティックス補強土構造物 / 永久構造物 / 残留変形 / 繰返し載荷 / 死荷重 / 剛性 / 粘性 / 構成モデル |
Research Abstract |
本研究では、ジオシンセティクス補強材で補強された盛土構造物の自重及び交通荷重による即時弾性変形及び長期残留変形の予測手法について検討を行った。昨年度までの実験的研究により、以下の重要な知見が得られた。 a)高分子補強材:素材・製造方法の異なる6種類の補強材を用い、異なる載荷速度での単調載荷試験、荷重保持載荷試験及び荷重振幅と周波数を制御した繰返し載荷試験を実施した。この結果、高分子補強材の変形には可逆的な変形要因と、時間に依存した非可逆的な変形要因の二つの異なる変形要因があることが明らかになった。特に交通荷重等の繰返し載荷によって生じる残留変形はクリープ変形(粘性変形)であり、荷重保持による残留変形と同様な枠組みで変形予測することが可能であることが分かった。 b)盛土材:砂質土を用いた平面ひずみ圧縮試験を実施し、盛土材の変形強度特性に与える載荷速度の影響と、荷重保持・繰返し載荷による残留変形特性を調べた。本研究においては、微小なひずみ振幅での繰返し載荷では盛土材は極めて弾性的な挙動を示した。また、荷重保持載荷や繰返し載荷時では明確な残留変形が生じ、繰返し載荷時の残留変形にはクリープ変形による要因が含まれていることが確認された。 本年度では、砂地盤中に補強材が敷設されたジオシンセティックス補強土構造物の平面ひずみ圧縮試験を実施し、死荷重および交通荷重によって補強土構造物に生じる残留変形特性を検討した。この結果、盛土材と高分子補強材の複合構造物である補強土構造物においても、上記a)&b)の挙動は定性的に一致していることが確認された。すなわち、ジオシンセティクス補強材で補強された盛土構造物の基本的な変形特性は、盛土材の物性が強く反映されていて、高分子補強材や盛土材の粘性変形を表現可能な非線形三要素モデルを用いることにより人工繊維で補強した盛土構造物の残留変形の予測が出来ることが確認できた。
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Research Products
(4 results)