2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模構造物の地震応答再現のためのネットワーク利用ハイブリッド型解析-実験システムの開発
Project/Area Number |
04F04364
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大崎 純 京都大学, 工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAN Peng 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ハイブリッド解析・実験 / インターネット / 建築骨組 / 有限要素解析 / 構造最適化 / 数理計画法 / 擬似焼きなまし法 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は,大規模で複雑な構造物の地震応答を精度良くシミュレートするための,新しいハイブリッド解析・実験システムを開発することである。システムの主な特徴は,インターネットによる大規模実験装置と高精度解析システムの結合である。本年度は,以下のとおり,研究計画での目的を達成することができた。 (1)ハイブリッド解析・実験アルゴリズムの開発: 昨年度開発した「ツインモデル」と「ピアツーピア(P2P)モデル」の2つのモデル及び,「修正オペレータ分解法」,「準ニュートン法」の有効性を,種々の分散解析実験で確認した。 (2)実用的インターネット通信環境の構築: 昨年度開発したソケット通信を用いてデータ交換を行う手法について,複数の大学及びキャンパスにわたる分散計算環境を構築して,種々の数値実験で有効性を確認した。 (3)物理実験への適用: 上記の方法を,主構造と塔屋を持つ大規模建築構造物のハイブリッド解析・実験に適用した。主構造と塔屋は有限要素プログラムで解析し,それらの接続部分に対して物理実験を行うことにより,手法の有効性を示した。 (4)上記の研究の拡張として,動的地震力の作用をうける建築骨組の塑性エネルギー吸収量を最大化するような剛性分布をタブー探索法などの発見的手法で求めるためのアルゴリズムを開発した。また,繰返し静的載荷時の吸収エネルギーを最大化するようなフランジ形状を,数理計画法及び擬似焼きなまし法で最適化し,ハイブリッド解析・実験システムとの統合による,大規模複雑構造脚の最適化の可能性について検討した。
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