2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04369
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Research Institution | Hiroshima University |
Host Researcher |
藤井 博信 広島大学, 先進機能物質研究センター, 特任教授
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Foreign Research Fellow |
LENG Haiyan 広島大学, 先進機能物質研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 水素貯蔵 / アミド・イミド系 / 錯体化合物 / メカノケミカル法 / Li-Mg-N-H系 / アンモニア / 熱分析 / 質量数分析 |
Research Abstract |
現在、地球環境保全の立場より、電力と並んで水素をエネルギー媒体とするクリーンエネルギーシステムの構築が注目されるようになってきている。中でも、水素エネルギー実用化への課題のひとつとして、水素を高密度に貯蔵・輸送するための要素技術の確立があげられる。外国人特別研究員Leng Haiyan博士は軽元素金属(M)-窒素(N)-水素(H)系錯体化合物の分解反応を利用した水素貯蔵材料の研究を開始した。H17年度においては、リチウム(Li)-マグネシウム(Mg)-窒素(N)-水素(H)系材料の水素吸蔵放出反応の機構解明の研究を行い、アンモニアを仲介とした3段階の素反応によって進行することを明らかにした。 平成18年度は、アンモニア仲介素反応の1つであるLiH+NH_3⇔LiNH_2+H_2(1)の可逆性について詳細な研究を、示差走査型熱量計を駆使して行った。これまでの研究で、LiHは室温でアンモニアと反応しLiアミド(LiNH_2)に変換することは以前から知られていた。しかし、Liアミドを水素化すると、LiHとアンモニアに変換することは、閉鎖系における実験では確認されてこなかった。しかし、本実験において、10気圧の水素ガスフロー中でLiアモドを200℃まで昇温していくと、ほとんど吸熱も発熱も伴うことなく、徐々にLiHへの変換が起こり、水素フロー中200℃に6時間保つことによって、全てのLiアミドがLiHに変換した。この結果は、反応(1)が、可逆的な反応であり、M-N-H系水素貯蔵反応は、直接の固相-固相反応によって進行するのではなく、アンモニアを仲介とする2つの素反応によって進行することを裏付ける成果として極めて重要な成果である。更に、Ti触媒の効果について実験され、Ti触媒は、反応(1)のLiアミドをLiHに変換する際に重要な働きをすることを明らかにした。今後の触媒機構の解明に重要な手掛かりを与えた点注目に値する。以上の成果は論文4編として発表し、更に、現在論文1編を執筆中である。
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Research Products
(4 results)