2005 Fiscal Year Annual Research Report
スマートプラズマ溶射システムによる超耐熱セラミックスコーティング
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04F04371
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 明 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Jialiang 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | プラズマ溶射 / ジルコニア-アルミナ / 熱遮蔽コーティング / スマートプラズマ / 気孔率 / 硬度 / 傾斜機能 / ガストンネル型 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、ガストンネル型プラズマ溶射による超耐熱セラミックス膜(熱遮蔽コーティングTBC)として、高硬度ジルコニア-アルミナ(ZrO_2-Al_2O_3)複合皮膜を作製し、以下の基本的特性を明らかにした。 1.スマートプラズマ溶射として、ガストンネル型プラズマ溶射の改良のため、プラズマジェットの高速度ビデオ撮影により、プラズマジェットの安定性、溶射中のセラミックス粒子の挙動を明らかにした。このとき、プラズマプロセスの精密性・制御性に対するプラズマ電源の安定性の効果が大きいことを確認した。 2.ガストンネル型プラズマ溶射プロセスの解明のためアルゴンプラズマの温度を測定し、溶射トーチ出口付近で約8000Kであることを明らかにした。また高速度カメラを用いてZrO_2溶射粒子の速度がプラズマジェットの周辺で150m/s前後であることを確認した。この速度は、プラズマの出力の増加に伴い増加する。 3.ガストンネル型プラズマ溶射により作製したZrO_2-Al_2O_3複合皮膜の膜は、ZrO_2-Al_2O_3複合皮膜断面においては、コーティング表面側が緻密・高硬度であり傾斜性をもつが、その表面近くののビッカース硬度はHν=1400程度である。このコーティング表面側組織の緻密化は、優れた耐摩耗性とともに耐食性の向上に寄与する。一方、気孔率は基板に近づくほど直線的に大きくなる傾斜性を持つ。複合皮膜中の気孔は、熱伝導を低減し、熱遮蔽コーティングTBCとして都合が良い。 4.ZrO_2-Al_2O_3複合皮膜の皮膜表面について、アノード分極曲線の計測を行った。その結果、複合皮膜の腐食電位は、厚い膜のほうが高く、また、アルミナ混合率が大きいほうが高くなる。一方、複合皮膜の腐食電流密度は、皮膜の厚さが厚いほど小さくなり、アルミナ混合率が大きいほうが小さくなる結果が得られた。
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Research Products
(5 results)