2004 Fiscal Year Annual Research Report
高速点火レーザー核融合の金フォームコーンを用いた最適高速電子発生
Project/Area Number |
04F04376
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 和夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEI An-le 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 高速点火 / フォームターゲット / 相対論的自己集束 / レーザーチャンネリング |
Research Abstract |
レーザー核融合ではレーザーのエネルギーを核融合燃料コアに高い効率で寄与することが重要となる。金コーン付きシェルを用いた高速点火研究(Kodama et al, Nature 412,pp798-802 (2001))においては、超高強度短パルスレーザーをコーンに入射することで高速電子を発生させ、その高速電子によって燃料コアを加熱する。そこで、本研究では高速電子の生成効率を向上させるため、金フォームターゲットを用いてイオン、電子の生成の様子を調べた。フォームターゲットは表面に微細構造を持つため、通常の金属平板に比べ吸収率が向上することが期待される。実験は大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの30TW出力GMIIガラスレーザーシステムを用いた。実験の結果、金平板ターゲットに比べ、計測された電子数は1.4倍、イオン数は1.5倍に向上し、フォームターゲットが高速点火研究に有効であることを示した。現在これに関する論文を準備中である。また関連する工業所有権を出願した。 また高速点火研究の一環として、電子密度が臨界密度以下から固体密度の10倍までの長スケールレーザー生成プラズマ中でのレーザー伝搬に関する研究を行った。大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの激光12号を用いて長いスケール長のプラズマを生成し、その中に超高強度ペタワットレーザーを入射して高速電子を生成することでその伝搬の様子を調べた。その結果、臨界密度以上の高密度プラズマ中にコーン上の単一プラズマチャンネルを生成することを発見した。また超高強度レーザーの集光位置に対して依存性があることから、このチャンネルを生成するメカニズムを相対論的自己収束効果によるものと結論づけることが出来た。現在これに関する論文を米国・サイエンス誌に投稿中であり、また2005年1月26日から28日まで名古屋で開かれたJoint JSPF Plasma Science Symposium 2005/The 22^<nd> Symposium on Plasma Processing 会議上で発表した。
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