2005 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴルおよびフィリピンの土壌と底質に含まれる重金属の化学的挙動に関する研究
Project/Area Number |
04F04378
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Host Researcher |
渡邊 眞紀子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
オユンツェツェク ボロルマ 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 土壌・水 / 重金属 / PIXE分析 / 土壌性状 / モンゴル |
Research Abstract |
I.モンゴル海外調査 2005年7月9日から16日まで、ウランバートル郊外ボグド山地、エルデネット市及びTuv aimag provinceの3地域を対象に、土壌調査と環境試料の採取を行った。調査は渡邊、オユンツェツェクのほか、研究協力者として井上弦(東京工業大学助手)、Baathishk博士(モンゴル地理研究所)、Toohug博士(モンゴル国立アカデミー)と現地協力者によった。 II.環境試料の分析 採取した土壌(輸出入許可取得)、水(河川水、地下水等)、植物(現地にて灰化処理)、毛髪試料についてPIXE法による重金属定量分析、土壌一般理化学性(pH,EC,全炭素・全窒素,有機態炭素,粒度組成,陽イオン交換容量CEC)等を行った。また、PIXE法を用いた土壌試料中の重金属定量のための前処理法について検討を行った。 III.結果と成果 土壌にはSiが大量に含まれるため、重金属などの微量元素の定量分析を困難にしている。このため、本研究では土壌及び毛髪試料を対象とするPIXE法による重金属定量分析の確立に向けて、酸による前処理に基づくシリコン・フリー法を新たに開発し、標準土壌試料CRM023-050を用いて分析精度を確認した。この成果は、第22回PIXEシンポジウム(若狭)でボロルマ・オユンツェツェクが口頭発表を行った。また、エルデネット地域で採取された水試料と毛髪試料には高濃度のNi,Cu,As,Pbが含まれることが明らかとなった。この成果の一部は、第17回国際イオンビーム分析会議(スペイン・セルビア)、においてボロルマ・オユンツェツェクがポスター発表を行った。なお、前年度に行った小規模採鉱地域モンゴル・ボロー川流域を対象としたPIXE法による重金属分析の成果が印刷公表となった(Nucl.Instr.and Meth.B.2006)。
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Research Products
(3 results)