2006 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル及びフィリピンの土壌と底質に含まれる重金属の科学的挙動に関する研究
Project/Area Number |
04F04378
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Host Researcher |
渡邊 眞紀子 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
OYUNSETSEG Bolormaa 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 土壌・底質・水 / 重金属 / PIXE分析 / モンゴル |
Research Abstract |
引き続き、PIXEポートにおいて、前年度モンゴルにおいて採取された環境試料の微量元素分析を行った。粒度分析をはじめ、選択溶解法による土壌コロイド定量分析、陽イオン交換容量CEC等の土壌一般理化学特性を調べた。2006年7月22〜26日にモンゴル・エルデネット鉱山地域にて再調査を実施し、土壌と植物試料のほか、精鉱の過程で廃棄物として大量に排出される尾鉱の採取を行った。これらの環境試料中の銅、亜鉛、モリブデン含有量をPIXE分析とICP-OES分析によって測定した結果、土壌中では環境汚染につながるような重金属元素は検出されなかったが、尾鉱は銅含量が高く、尾鉱から大気を経由して周辺への重金属の拡散が危惧された。一方、植物ではヨモギ属の一種であるArtemisia frigidaが、土壌中の銅を選択的に集積する結果を示し、特に根において、低pH条件下で高濃度の銅集積が確認された。これらの知見は、ファイトレメディエーションへの利用の可能性を示すとともに、植物を摂取する家畜への影響が懸念された。重金属の移動経路についてはモンゴルに話いては、河川水と家畜・人体の媒体として土壌・植物が鍵を握ることから、土壌理化学特性に基づくポテンシャルを理解することはリスク・アセスメントにとって重要である。中間成果(速報)を日本ペドロジー学会、日本土壌肥料学会環境部門、ゴールドシュミット国際会議(オーストラリア)、モンゴル国内会議を含めた以4つの国内外の会議において発表し、社会還元を行った。
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Research Products
(7 results)